持ち家か賃貸、住居はどうすればいい?
不動産売買の会社でFP&宅建事務として勤務していた実績を元に永遠のテーマである持ち家か賃貸か、それについて私なりの考えを書いていきます。
売買の不動産会社の勤務だからと言って売買をすすめるような記事は書かない。
賃貸
気軽に引っ越しが出来るのが魅力の賃貸物件。
しかし、賃貸の家賃はいくら払っても大家さんの収入にしかならない。
住宅ローンと比べると賃料の方が割高である場合も多い。
修繕に関しては持ち主である大家さんがやってくれるけど、人によってはやってくれない場合もある。(理由をつけて借主にお金を出させる)
2.賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。
※賃貸人=貸す側
しかし、借りている人が原因の場合は出さなくていいとも定められているので、
この辺はトラブルが多いです
費用
賃料の4~5倍が相場とされている。
(前家賃+敷金+礼金+保証会社+火災保険料+鍵交換費用+仲介手数料)
礼金が無かったり、ペット可の物件は敷金が高かったりするからあくまで相場です。
この記事を書いている時の私は家賃39000円+管理費3000円のボロアパートに住んでる。
今のところ家を買う予定もない。
今は賃貸だけど老後は持ち家になるかもしれない・・・
未来のことだからわからないけどね
人気の物件はお客さんを選べる立場にあるので、高齢者などは借りられない場合があります。
物件で亡くなられると次の借り手が嫌がってしまったり、場合によっては特殊清掃を入れないといけなくなるので貸す側も慎重になります。
高齢化社会が加速しているので、今は問題になってるけど改善されていくかもしれません。
持ち家
借りものではなく所有物、自分の家が手に入るのは安心感にも繋がる!
お家は契約してからの方がやることが多かったりするんだよね
物件価格の1割が相場とされている。
(各種税金+オプション費用+登記費用+火災保険料+仲介手数料)
新築・中古・マンションで変わってくるからこれもあくまで目安。
お家を買うのにほとんどの人が利用するのが住宅ローン。
低金利時代と言われているので、民間の金融機関であれば0.50%~0.70%前後のプランが充実(2022年4月時点)
フラット35こちらは審査が通りやすいけど金利が民間と比べて高めで1.30%前後(2022年4月時点)
独立行政法人が関わっているので、民間のローン審査よりも審査が厳しくないのが特徴。
住宅ローンの計算
モデルケース:3000万円のお家を探している会社員Aさん30歳。頭金0円、フルローン希望。
3000万円のお家、諸費用を1割で計算すると300万円。
フルローンなので、諸経費込みで住宅購入費用を全額ローンを借りる。
会社員なので民間の金融機関の審査が通り金利は0.70%で通った設定(金利変動は無しと仮定)
借入年数は35年。定年になる65歳までに返済予定。※ボーナス払いは無しとする。
月々のローン返済額は・・・
低金利とは言っても35年も借り続けると利息分もそれなりに増えます。
【トータル額】
■住宅ローンについて思うこと■
終身雇用の時代が終わると言われている昨今、住宅ローンについても考え方を変えていかないといけないかもしれません。
若い人が住宅ローンは35年で組むのが一般的とされている。しかし・・・
35年間同じ仕事を続けているのかな?
年収が上がり続ける保証はあるのかな?
40代ぐらいで早期退職を推奨されたりしない?など・・・
働き方が多様化しつつあるけど長期間のローンは負担にもなりかねない。
もちろん賃貸でも家賃が発生するから住宅に一定額はかかるけど、ギリギリで住宅ローンを組んで苦しくなってしまう人も少なくない。
業者にすすめられるままにローンを組むのではなく、自分の働いている業界、職種、いろいろ考えてみたうえで決めてほしい。ローンを返済していくのはあなたなのだから・・・。
ローンで借りられる金額≠返済できる金額
と思う人も居るかもしれない・・・
でも団信があるよ!
また、がんと診断されたら住宅ローン残高がゼロになるがん団信や、3大疾病保障、8大疾病特約などの特約付きなど銀行によってさまざまなプランがある。
病気になったら住宅費用を補償してくれるのが団信。
この団信、民間金融機関では加入が条件になっている場合が多く、金利が若干増えます(増えない場所もある)
フラット35では加入が任意になっている。
個人的には特別な事情が無い限りは入っていた方が良いと思う
利息分の金額は安心を買っていると割り切る
住宅ローン完済後は資産として残るから家族が居ればいいかもしれないね。
手付金
お家を買う契約の時に必要になるのが手付金!
これはローンで借りることができないので、現金で用意する必要があります。
何故用意するかと言うと「やっぱり辞めます」ってお互い簡単に言えなくするためです。
100万円の手付金だとすると・・・。
買主は契約後に「やっぱりやめます」と言うと100万円は戻ってきません。
売主が契約後に「やっぱりやめます」と言うと受け取っている手付金100万円を返して追加で100万円渡さなくてはいけません。
手付金の相場は売買価格の5%~10%とされているけど、新築でも売主さんによって50万で良かったり、中古物件だと50万以下だったり、人によって違います。
それじゃないと買ってから苦労することになりますよ・・・
新築戸建
ここでは一般的な建売のことを書いていきます。
建売の戸建てはカーテンレールや網戸が付いていない場合がほとんどです。
建売はある程度プランが決まってから作っているので、注文住宅と比べると予算も抑えられます。
中古戸建
カーテンレールや網戸がついている場合がほとんどなので、オプション費用が節約できる。
新築と比べてだいぶ価格も低めで買えることも多い(ただし修繕費は新築よりもかかる)
一昔前の設備だったり、見えない瑕疵(欠陥)が潜んでいることもある。
中古住宅をリフォームして再販している業者も増えており、水回りや床、クロス、全て新品にしている業者もあります。
また水回りの寿命は十年程度と言われているのでメンテナンス費用もちょこちょこかかってきます。
マンションの修繕は専有部分(部屋)は自分で、共用部分(廊下や外壁など)は積み立てされている修繕費から払われます。
マンション
マンションはマンション規約が定められており集団生活をするうえで必要なルールがあります。
・ペット可だけど60㎝未満の小型の犬猫限定
・ベランダでの喫煙は禁止
など・・・規約が後から追加されることもあります。
共用部分の修繕はマンション側がやってくれる場合があり、オートロックなどのセキュリティーが充実しているマンションも増えています。戸建よりも防犯面は高い傾向。
またマンションが建つエリアは大きな建物が作られやすいエリアなので商業施設が多かったり、駅から近かったりと生活をする上で、良い立地にある場合が多い。
タワーマンション
皆さん大好きなタワーマンション(タワマン)はどうでしょうか?
眺望良好な高層階は開放感がありそうでいいですね。
タワマンに住んでいると言うだけで凄いと言われる。
タワマンは高さがあることで世帯数も多くなり、専用ジムやラウンジなどの共用設備などが充実していることが多いです。設備が充実していることで、管理費などが割高な傾向にあります。
また高層階などは外壁の傷み具合も確認が難しく、修繕費用も高くなりやすいです。
資産的な価値が高いとされているマンションですが、マンションは古くなるごとに修繕費は増えていきます。
人口も減少しているこの国で、簡単に売れますか?
不動産売却
不動産は資産になる!
不動産を買っても住まなくなったら売ってしまえばいいんですよ~と不動産業者は言います。
※ローン完済前でも売却は可能。
もちろん資産なので売ることも出来るし、人気の場所であれば高値でも売却可能。
でもよく考えてほしい。
新築は一度でも購入してしまうと中古としてしか売り出せない。
また耐用年数が定められており、年数が経つほどに価値が落ちていく。
リフォームをしていても耐用年数は増えたりしないよ
土地のみの査定額が評価されて上物(住宅)は+α程度になります。
マンションの耐用年数は47年と長いけど、マンションは年数が経つほどに修繕費が上がってくるから築浅じゃないと買い手が見つかりにくくなる。(立地にもよる)
少しでも高く売りたい売主、少しでも安く買いたい買主、どっちが折れる?
一般人が買った不動産を売って儲かることはほぼ無いと考えてください。
違法建築物は銀行の融資が通らないので、まとまった現金で買う以外に無くなってしまうのです・・・。
リフォームして再販する業者も違法建築物だと嫌がります。
負動産問題
資産になるとされている不動産でも、持っているだけでお金がかかってしまうものは負動産と呼ばれている。
不動産は所有しているだけで税金がかかるので使い道が無いとただお金がかかるだけのものになってしまいます。
早めに売却をすれば売れたけど負動産化してしまうと売れなくなります。
ババ抜きのババを好き好んで引く人はいない。
お金を払ってでも手放したいリゾートマンションの話が有名です。
最後に
さて、ここまで読んだ人なら持ち家か賃貸か・・・どちらがいいか断言できない理由がわかったと思います。
価値観や家族構成、収入によってどっちがいいか変わってきてしまう。
また木造住宅の法定耐用年数は22年だけどしっかりメンテナンスをしていれば50年以上住み続けられる家もあります。マンションに至っては100年近く・・・。
答えが出せない分野なので、メリットとデメリットを書いた。
持ち家は一生に一度と言われるほど高い買い物です。
家を買う諸費用をしっかり伝えずに購入させようとする不動産業者や、何かしら問題があった場合、売主と仲介会社で責任の擦り付け合いも少なくない。
結局、購入者が一番損をしてしまうことになる。
たまには真面目な記事も書いたりするよ!