イラスト解説、初学者向け法律用語一覧
いきなりですけど、法律用語ってとっつきにくくないですか?
日本語なんだけど日常生活の言葉を意味が違ったり、難しい表現だったり・・・・
そんな経験があったので、とっつきにくそうな部分を、イラスト付きでわかりやすく説明していきます!
文字ビッシリよりわかりやすいと思ったから・・・・
前提として、法律は信義誠実の原則で成り立っています。
(日本民法第1条2項)
信義則と略す場合もある。
善意・悪意(ぜんい・あくい)
日常では、道徳的な善悪のことを言うけど、法律用語の善意と悪意は、「知らずにやった」「知っててやった」を意味します。
物を売った時で壊れたものを売ってしまった場合。
壊れてたのを知らないで売ってしまった→善意。
壊れてたのを知ってて売った→悪意。
信義則に反していますよね!
同じことでも、知らないでやった人と、知っててやった人を同じにするのは可哀想。
でもこの知ってたか知らないかは、本人にしかわかりませんよね。
善意と悪意はどうやって定義しているのか・・・・?
資格試験の問題では問題文に、善意の○○、悪意の○○としっかり明記されています!
なので勉強するだけなら考えなくて大丈夫。
見極めるのが難しいのです!
だから裁判があり、証言を聞いたり、何度も確認をしたり、答えを出そうとしています
背信的悪意者(はいしんてきあくいしゃ)
善意と悪意の話に関係が深い「背信的悪意者」
意味合いも、人を陥れるような悪だくみをしている人です
登記簿に記録しておけば所有者として認められます。
家などの不動産は貸家もあるので、【住んでいる人=持ち主】とは限らないので、不動産登記をして持ち主を明確にする必要があります。
(所有者情報以外にも、所在番地や広さなども記載されます)
登記をしていないと第三者に対抗することができないと民法177条に明記されています。
先に登記をして権利を奪ってやろう・・・・
信義則に反する行為は禁止
「家を売ります」と言われても本人の所有物なのか、わからないから誰でも登記を見て確認ができます。
登記と公信力
【公信力=権利を信じて取引した人を権利が無かったとしてもあったものとして認める力】
登記に書いてある所有者情報を信じて取引をしても保護されない場合があります。
登記された内容が正しいかどうかについて、国は保証をしてません!
登記は公示力はあるけど、公信力がないのです。
不動産の引き渡しを受けることが重要です
権利関係はとても複雑なのです・・・
又は~・若しくは~・及び~・並びに~
及び~・並びに~は英語で言うor
又は~・並びに~は大きい接続に使われる
法律用語では使い分けがしてあって混乱する人も多いです
同じような意味でも少し違う、それを意識して条文を読み、少しづつ慣れていくしかないです
債権(さいけん)・債務(さいむ)
債権と債務、どっちがどっちかわかりにくいですよね。
こんなケースの場合。
こうなる。
金銭を払う義務=債務者
債権譲渡(さいけんじょうと)
譲渡は権利などを他人に譲り渡すこと。
債務譲渡はないのか?
これはイラストを見てわかるとおり、1000円を返す義務を欲しがる人はまず居ないので、債務引き受けなど別の言葉になる。
履行(りこう)
契約などを行うこと。約束を守ること。
上の続きで金銭の債務契約が返済により終了した場合。
不履行(ふりこう)
履行の逆の意味。契約が実行されない場合。
約束の期限を守れなかったので、「少し多めにお金を払ってね」ってことです
直ちに・速やかに・遅滞なく
これら3つはどれも即時性を求める意味合いの用語です。
『直ちに』が優先1位『速やかに』が2位『遅滞なく』が3位。
避難警報でも同じ表現が使われる地域があるからです
日常でも避難警報でも使わない「遅滞なく」は優先度一番下。
似たような言葉でも優先順位が付いているって事を覚えてね!
遡及(そきゅう)
難しい言葉だけど「さかのぼる」って意味。
遡及は刑法でよく出てきます。架空の事件で説明。
過去の行為が法改正で有罪になったとしても、
遡及処罰は憲法で禁止されているので罰せられることはありません
刑が軽くなる場合は例外で遡って適応されるケースもあります
犯罪後の法律によって刑の変更があったときは、その軽いものによる。
瑕疵(かし)
瑕疵はキズや欠点のあるもの全般に使います。
イラストのように新築なのに欠陥があるのは瑕疵物件。
目に見えない瑕疵もあります。(隠れた瑕疵)
瑕疵物件を売ってしまうと売り手は瑕疵担保責任を問われます
わかりやすく書くと不良品を売りつけたので責任をとりなさい
『一切の責任はとりません』
と契約をしても一定期間は責任を取らなくてはいけません!
とくに家などの不動産は高額なので責任は重いです
時代の流れで瑕疵が出てきてしまう、法も生きているのです
隠れた瑕疵
目に見えない瑕疵の場合は売り手側も知らない場合が多いです。【善意】
見えない瑕疵を隠して売った場合は悪意ですからね!(上の善意と悪意参照)
心裡留保・錯誤(しんりりゅうほ・さくご)
心裡留保はわかりやすく言えば冗談のこと。
錯誤はわかりやすく言えば勘違いのこと。
契約においても勘違いは起こります
重大な過失がなければ無効にできる場合があります
虚偽(きょぎ)
偽の漢字を見てのとおり、『偽り』を意味します。日常生活で言うところの『嘘』
心裡留保も社会的に見れば嘘に含まれるけど、虚偽は真実を偽るを嘘の意味合いが強く、悪意があるものに使われることが多い。
イラストのように綺麗な中古品を新品で売ったりするパターン。
野菜の産地を偽装して売るのは、原産地虚偽表示!
虚偽申告(偽りの申告)虚偽告訴(嘘の告訴)
最後に
初学者が難しいと思いそうな部分をピックアップしました。
テキストだとAとかBとかで表現されるけど、ここではそういう表現を無くしてみました!
学校でも習わないし、日常生活で条文を読む機会もないからね・・・