二重スリット実験《初心者向け解説》
無知だった私を量子力学の世界へ一気に引き込んだ二重スリット実験のまとめ。
量子って何?どんな動きするの?ミクロの世界って、面白いじゃん!!その気持ちが伝わりますように。
専門的な話なので、初心者目線で書いていきますね。
※参考書籍 【量子論のすべてがわかる本】
どんな話?
ボールをまっすぐ壁に投げれば壁にぶつかりますね。
それは当たり前の事。物理学の常識です。
この物理学の法則は日常では意識をしてない分子、原子、電子などのミクロな世界ではどうなるのでしょうか?
物理学の法則が無視されたような世界だったらとしたら・・・?そんな話です。
物理二重スリット実験
スリット(Slit)とは、切れ目、隙間って意味です。
まずは普通のボールで実験してみよう。(わかりやすく野球ボールにしておく)
ボールをひたすら機械に投げさせて、壁にボールのぶつかった場所を見てみると・・・?
こうなる。スリットを通った場所に跡が残った。別に変な場所は無い。
これがボールよりももっともっと小さい粒子、ミクロ世界だとどうなるのだろう?
量子力学の世界
ミクロの世界はとても小さい世界です。顕微鏡で微生物を見るよりも、もっと小さい世界。野球ボールの数約億分の1とかそれ以下・・・・。
電子顕微鏡で見るような最小の微粒子の世界。
この世の物質は原子の集合体と言われています。
原子には原子核があり、その周りに電子が存在します。
上の図の電子がこの記事で主役になります。
一重スリット実験
電子銃と呼ばれている。
特殊な装置で電子の粒を大量に発射する実験。
ボールの実験と同じようにスリットを通った場所に跡が残る。
ミクロの世界でも物理学の法則は成り立っていた・・・・。
野球のボールと同じで素粒子世界でも同じ動きでした!
でもスリットが2つに増えると別の結果になる。
二重スリット実験
ここからが面白い。
スリットを2つにして同じように電子の粒を大量に発射する実験を行う。
結果はこうなる
あれれー???縞模様が出来た・・・?
粒なのにどうして??
これは干渉縞と言って波で行うと同じような模様になる。
電子の粒を大量に発射し、二つのスリットから出た波がぶつかり合って、イラストで青い点をつけた部分が広がって壁に付く感じ。
そうか・・・電子が粒ではなく波なのか!!
スリットが1つの時は粒の動き(物理学の動き)だったはずなのに、スリットを抜けた瞬間に波に変化するのか???
電子の粒がぶつかり合ってこんな結果になったのかもしれないと思って、ゆっくりと1つ1つを発射することによっても同じ結果になる。
あれ・・・?2つの穴を同時に通らないと干渉縞にならないはず。
電子はどんな動きをして干渉縞になるんだろか・・・・。
二重スリット実験の観測
これはアメリカの物理学者、ファインマンによって行われた思考実験です。
思考実験とは何かはこちらのシュレディンガーの猫の記事で!
電子がどっちのスリットを通過したのかを観測する為に、スリットの裏に観測器を設置。
観測器は光を出していて光を粒として考えた時に電子と光が衝突して
光が散乱するから、それにより電子の位置を調べる。
電子は片方のスリットしか通らなかった!
この実験をすると干渉縞は現れない!!
理由は光の粒(光子)が電子にぶつかると、観測前と同じ波ではなくなり、乱れてしまうので干渉縞にならない。
この実験では干渉縞が起こる現象を解明できなかったのです。
1つの電子で干渉縞は現れるはずがない。
電子が二つに分裂する事はありえないと考えているが、現時点でその答えは誰も知らないのです。
思考実験で得られた答え
結局わかりませんでした!で終わってしまうとモヤモヤが残りますが、光を当てずに観測をする事は出来ません。
ミクロの世界では、光すらも結果に影響してしまうので、スリット通過の動いている瞬間を観測するのは不可能!!
それが、過去の天才達が残した答えでした。
最新の研究
理化学研究所が今も二重スリット実験を続けています。(とても難しい内容です)
最新の科学技術を使えば、電子がどちらのスリットを通過したかを明確にできて、電子から作られる干渉縞を観察・記録にも成功しています。
波動と粒子の二重性を解明する手がかりを得ることができたけど、謎が解明されるにはもう少し時間がかかりそうです。
結論
二重スリット実験は観測不可能なものを観測しようとしています。
現時点では不可能なものも今後可能になりえるのです
不思議な動きをする電子
この謎に今も科学者が挑んで頭を悩ませています。
これが量子力学の世界。
物理学者のボーアは「量子論に衝撃を受けないとしたら量子論を解していない証拠だ」と言葉を残しています。
ミクロな物質の集合でこの世界は存在します。
そのミクロな世界はまだ未知の世界です。この世界はなんなんだろう?
ちょっと怖くなってくるね。
少しでも面白さが伝われば幸いです
こういう話が好きな人はこっちの記事もどうぞ!
この世界は現実じゃない?シミュレーション仮説の話です。