みなし残業(固定残業)制度
みなし残業(固定残業)とは名前のとおり、残業したとみなして、基本給に残業代をプラスして払う制度。定額残業代など呼び方はいくつかある。
残業代を固定化することで、人件費を把握しやすい企業側のメリットがある。
転職活動中にみなし残業70時間の会社に遭遇したので記事を書く決意をした。
みなし残業のメリット、デメリット
残業しなかったとしても、残業したものとして払うからお得だよ
でも世の中、うまい話には裏がある。
デメリット、時間外の給料は1.25倍、時間外残業が月60時間超を越えたら給料は1.50倍、法定休日の労働時間は1.35倍、深夜労働は1.25倍の割増賃金になる。
(休日労働の深夜労働であれば1.35倍+1.25倍で重複します)
しかし、みなし残業制度は時間外割増賃金の対象外!
(休日と深夜は割増の場所もあるけど就業規則で固定代に含ませることも可)
残業で深夜遅くなろうが、休日出勤でも、増額は一切なし。
みなし残業代÷みなし残業時間÷1.25=時給
時給を計算したら最低賃金ギリギリな場所も少なくありません。
みなしはブラックなのか?
ダラダラ無駄に残業をして残業代稼ぎをする人が居るから、不公平を無くす為にみなし残業にしている企業もあります。しっかり自分の仕事をこなして時間内に帰っている人と、ダラダラ仕事をしている人でダラダラ仕事をしている人の方が給料が多いのでは、会社としてもマイナスにしかなりません。
取引先からの電話を休日に受けて対応、会社以外の場所で仕事をする場合も、職種によってはあります。(コンサルティング会社やクリエイティブな業界に多い)休日の電話対応や家でやる仕事も立派な業務。会社外の業務を全てを把握できないので、給料を多めにしておく。
しかし、見極めが難しいです
企業側が得をしやすい制度
「残業時間を計算を把握するのが大変」と言ってみなし残業を導入している。
上で書いた会社の場所で仕事をする特殊な職種を除いて、会社内の労働であればタイムカードが電子化している現代、勤怠管理ツールもあるので、把握するのは容易です。
割増賃金を払わなくて良いのは、企業側からしたら都合がいいのです。
社会的に非正規社員が増えている。今の企業は極力、人件費を抑えたい場所が多い。
残業が少ないと給料を多く払う事になっちゃうよね・・・・
元を取るために毎月50時間はしっかり働かせるつもりだよね
企業にそれなりのメリットがあるから固定残業代にしているのです。
長時間の固定残業を設定している場所は残業が多い場所、要注意です。
年収や月給を水増しできる。
例えばこんなケース正社員、月給250000~(70時間分の月10万円の固定残業代を含む)
基本給は150000ということになる。正社員の立場で責任が重く15万、はっきり言って奴隷です。
基本給が少ないと退職金やボーナス(基本給○ヶ月分で計算する場所が多い)
も少なくなっちゃいますよ!
検索のフィルターをすり抜ける為に、最初に残業代を盛り込み高い数字に見せています。
実際は低賃金で長時間労働の奴隷労働者になるかもしれませんよ。
いくらでも残業させ放題と勘違いしている、固定残業代の言葉を利用した悪徳企業。
(長時間タダ働きで人件費削減だ)
固定残業代を入れているからこそ定時で帰りにくい空気が生まれる。
自分が残業しているんだから・・・って他人への押し付け。
他人と合わせようとする心理(同調バイアス)で社員を社風に染めやすい。
付き合い残業です。
ボーダーライン
固定残業代20時間であれば1日1時間程度の残業。
時間ピッタリで終わるのが難しい業界(サービス業等)では、15分や30分の残業を配慮して導入している場合がある。
固定残業代は月45時間がボーダーラインと言われてます。
(45時間以上でも違法なわけではない)
労働基準法では、1日8時間、週40時間を超えて労働させてはならない。
しかし労働者と36協定を結べば、1日8時間、週40時間を超えて労働することが可能になる。その時間外労働も青天井ではなく、残業時間が月45時間を上限としている(1年で360時間が上限)
45時間の残業は、月に20日勤務だったら、1日2時間弱の残業をする計算です。
8時間労働+休憩1時間+残業2時間+通勤時間。
半日を会社に拘束されます。
残った時間で、お風呂に入り、食事や睡眠をとる。
タイムカードに残業が反映されないから残業ゼロ。
最後に
転職の際、求人を見て感じたことはみなし残業を導入している企業が多かった!
企業が人を募集しているのは穴が出来たからです。
従業員数が少ないのに大量に人を募集していたら、ブラックの可能性が高いです。
環境が良い企業はそんなに穴が出来ない!!
人が辞めるのって理由ってだいたい同じなんですよ・・・・。
労働時間が長いのってストレスが溜まります。最初は我慢できるけど、じわじわと効いてくる。
過去に経験したのでよくわかる・・・・
メリットを表にだしているみなし残業の制度。制度をうまく使えば従業員を安く使える。
考えてみれば企業側のほうがメリットが多いのです。(一部のホワイトを除く)
求人票に曖昧に書いておいて、面接で説明をされることもあります。
隠す会社は明らかに怪しい企業です。
長時間労働の過労死も問題になっています。
未払い賃金など、企業側と労働者のトラブルも増えてます!
増えるブラック企業、みなし残業は違法ではない。
(最低賃金以下になってたり、固定残業時間以外の賃金を払わないのは違法)
固定残業代の制度を知る事が大切です
しっかり見極めることがブラック回避のポイントになります!
自分の身は自分で守らなくてはいけません
みなし残業を導入していてもまともな企業もある。制度を利用したブラックが多いのが現実。見極めが難しく、入ってみないとわからないことも多い。
働いた分はしっかり賃金を貰う。みなし残業を導入していない企業を選ぶのも、選択の一つです。